H31(前)社会福祉【2019】

【過去問解説】平成31年(前期) 保育士試験〈社会福祉〉問20〈2019〉地域包括ケアシステム

【過去問解説】平成31年(前期) 保育士試験〈社会福祉〉問20〈2019〉地域包括ケアシステム

平成31年前期 保育士試験 社会福祉 問20の解説です。

問20は、「地域包括ケアシステムの充実に向けた取り組み」に関する問題で、記述の正誤を問われています。

記述A~Dをみていきましょう。

問題文は全国保育士養成協議会のホームページで無料公開されています。
こちら(全国保育士養成協議会サイト)から閲覧、ダウンロードできます。

「スタディ」では、このブログや動画を見ながら、お持ちのテキスト本に赤線を入れる、コメントを足す、付箋を貼るなどして、自分の使いやすいオリジナル本を作っていくことをおすすめします。ここでは、福祉教科書「保育士完全合格テキスト2022」を用いています。

問20の解き方

問20は、常識で解ける問題です。

記述Cが明らかにおかしいので、正解の選択肢が絞られます。2か5です。

選択肢2と5の違いは、記述AとBが両方とも正しいか、間違いかです。

AとBは地域包括ケアとして、常識的に正しいと考えられます。

よって正解は選択肢2です。

地域包括ケアシステムとは

地域包括ケアシステムとは、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される社会の実現を目指すものです。

団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途としています。

地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要です。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、地域の高齢者の総合相談、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防の必要な援助などを行い、高齢者の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とし、地域包括ケア実現に向けた中核的な機関として市町村が設置しています。
令和3年4月末現在、全国で5,270か所が設置されています。(ブランチ(支所)を含めると7,305か所)

それでは、各記述をみていきましょう。

問20-Aの解き方

記述Aでは、「医療及び介護の関係機関・団体が相互の役割分担と連携を密にして、総合的な支援が行われる体
制を確保する。」とあります。

包括ケアシステムは、住まい・医療・介護・予防・生活支援 が一体となって提供されることを目指しています。

よって、Aは正しい「〇」です。

問20-Bの解き方

記述Bでは、「地域住民に認知症に対する正しい理解を促すため、認知症サポーターを養成し、認知症の人を地域で支える体制をつくる。」とあります。

認知症サポーターとは

認知症サポーターとは、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けするものです。

認知症サポーター養成講座は、地域や職域団体等で、住民講座、ミニ学習会として開催しています。地域住民、金融機関やスーパーマーケットの従業員、小、中、高等学校の生徒など様々な方が受講しています。

認知症サポーターに期待されること

  1. 認知症に対して正しく理解し、偏見をもたない。
  2. 認知症の人や家族に対して温かい目で見守る。
  3. 近隣の認知症の人や家族に対して、自分なりにできる簡単なことから実践する。
  4. 地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携、ネットワークをつくる。
  5. まちづくりを担う地域のリーダーとして活躍する。

よって、Bは正しい「〇」です。

認知症サポーター制度について詳しくは、厚労省HPをご覧ください。

問20-Cの解き方

記述Cでは、「高齢者各人の有する能力を評価することなく、自立した日常生活を支援することに努める。」とあります。

「能力を評価することなく」が間違いです。

Cは、間違い「×」です。

問20-Dの解き方

記述Dでは、「高齢者と障害児者が同一事業所でサービスを受けやすくするため、共生型サービスを位置づける。」とあります。

障害児者とは、障害児と障害者のことです。

共生型サービスは、2018(平成30)年度の関係法令の改正によって、介護保険サービスと障害福祉のサービスを同一の事業所で一体的に提供することができるよう、新たに創設されたサービスです。

ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイなどについて、指定障がい福祉サービス等の利用定員の範囲内で高齢者や障がい児者が共に利用できるようになりました。

障害福祉サービスは、「障害者総合支援法」に定義される障がいのある方が利用できるサービス、介護保険サービス は原則65歳以上の方が利用できるサービスです。

そのため、これまでは障害福祉サービスを利用していた方が65歳になったときに、なじみのある障害福祉サービス事業所から介護保険サービス事業所に移らなければならないケースが多くありました。

この制度を活用することで、障がいのある方が65歳以上の高齢になっても今までのサービスを継続して受けることが可能になりました。

よって、Dは正しい「〇」です。

正解とまとめ

ここまでみたように、

A:〇

B:〇

C:×

D:〇

よって、正解は選択肢2です。

「保育士テキスト2022 (上)」P30「地域包括支援センター」に地域包括ケアシステムを書きこんでおきましょう!

過去問解説をYouTubeで見る



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