平成31年前期 保育士試験 社会福祉 問14の解説です。
問14は福祉サービスの第三者評価に関する問題で、記述の正誤を問われています。
記述A~Dをみていきましょう。
問題文は全国保育士養成協議会のホームページで無料公開されています。
こちら(全国保育士養成協議会サイト)から閲覧、ダウンロードできます。
「スタディ」では、このブログや動画を見ながら、お持ちのテキスト本に赤線を入れる、コメントを足す、付箋を貼るなどして、自分の使いやすいオリジナル本を作っていくことをおすすめします。ここでは、福祉教科書「保育士完全合格テキスト2022」を用いています。
Contents
福祉サービス第三者評価とは
福祉サービス第三者評価は、社会福祉法人等の事業者の提供するサービスの質を当事者(事業者・利用者)以外の公正・中立な第三者機関が、専門的かつ客観的な立場から評価する事業をいいます。サービスの質の向上と利用者への情報提供を行うことを目的としています。
第三者評価は義務ではありませんが、社会福祉法第78条「福祉サービスの質の向上のための措置等」では、積極的に受審することが推奨されています。
(福祉サービスの質の向上のための措置等)
第七十八条 社会福祉事業の経営者は、自らその提供する福祉サービスの質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより、常に福祉サービスを受ける者の立場に立つて良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努めなければならない。
2 国は、社会福祉事業の経営者が行う福祉サービスの質の向上のための措置を援助するために、福祉サービスの質の公正かつ適切な評価の実施に資するための措置を講ずるよう努めなければならない。
社会福祉法
第三者評価のやり方
標準的な第三者評価の流れです。
- 【自己評価】事業所内で自己評価を実施
- 【実地調査】自己評価の結果を、調査者(認定を受けた第三者機関に所属、必要な経験や資格を有し評価調査者養成研修を終了した者)が検証する。
- 【評価決定委員会】調査者が評価した内容を評価決定委員会で検討する。
- 【事業所へ報告】③の内容を事業所に確認してもらう。
- 【公表】事業所の了解により公表する。
評価の対象となる福祉サービス
評価の対象になる福祉サービスは以下の通りです。
・保育所
・乳児院
・児童養護施設
・母子生活支援施設
・児童自立支援施設
・自立援助ホーム
・ファミリーホーム
・児童心理治療施設
・救護施設
・障がい福祉サービス事業・障がい者支援施設 等
・特別養護老人ホーム
・養護老人ホーム
・軽費老人ホーム・ケアハウス
・通所介護
・訪問介護
評価が義務となる福祉サービス
社会的養護施設については、 平成24年度より、毎年「自己評価」を行うとともに、3年に1度「第三者評価」を受審して、結果を公表することが義務化されました。 保育所については、受審が努力義務として定められています。
評価については、全国推進組織による評価基準に基づいて実施され、評価結果も全国推進組織が公表します。
第三者評価の受審が義務化された社会的養護施設
- 乳児院
- 児童養護施設
- 母子生活支援施設
- 児童心理治療施設(旧:情緒障害児短期治療施設)
- 児童自立支援施設
その背景は、「子どもが施設を選ぶ仕組みでない措置制度等であり、また、施設長による親権代行等の規定もあるほか、被虐待児等が増加し、施設運営の質の向上が必要である」とされています。
福祉サービスの第三者評価について、福岡県のサイトにまとめてありますので、ご参考にしてください。
全国福祉協議会の第三者評価事業サイトも合わせて参照ください。
問14の解き方
それでは、AからDの記述をみていきましょう。
Aには、「乳児院は、5か年度毎に1回、第三者評価を受審しなければならない。」とありますが、5年に1回ではなく、3年に1回です。よって、Aは間違い「×」です。
Bには、「母子生活支援施設は、毎年度、自己評価を行わなければならない。」とありますが、これはその通りですね。よって正解「〇」です。
Cには、「児童心理治療施設は、3か年度毎に1回、第三者評価を受審しなければならない。」とあります。その通りなので、正解「〇」。
Dには、「児童自立支援施設は、3か年度毎に1回、自己評価を行わなければならない。」とありますが、自己評価は毎年行うことが義務づけられています。よって間違い「×」です。
正解とまとめ
まとめると、
A:×
B:〇
C:〇
D:×
よって、正解は選択肢4です。
「保育士テキスト2022 (上)」P62~63「第三者評価」をチェックして、蛍光ペンなどでマークしておましょう。不足している情報は、付箋に書いて貼っておくことも忘れずに!