H31(前)社会福祉【2019】

【過去問解説】平成31年(前期) 保育士試験〈社会福祉〉問3〈2019〉

【過去問解説】平成31年(前期) 保育士試験〈社会福祉〉問3〈2019〉

平成31年前期 保育士試験 社会福祉の問3の解説です。

問3はひとり親家庭の現状と対策に関する記述の問題で、記述の正誤を問われています。

記述AからDをみていきましょう。

問題文は全国保育士養成協議会のホームページで無料公開されています。
こちら(全国保育士養成協議会サイト)から閲覧、ダウンロードできます。

「スタディ」では、このブログや動画を見ながら、お持ちのテキスト本に赤線を入れる、コメントを足す、付箋を貼るなどして、自分の使いやすいオリジナル本を作っていくことをおすすめします。ここでは、福祉教科書「保育士完全合格テキスト2022」を用いています。

問3-A の解き方

Aは、「平成 28 年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省)の母子世帯の母自身の平均年間就労収入に関する質問です。

「平成 28 年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省)をみると、母又は父自身の就労収入である「平均年間就労収入」は、母子世帯で200万円、父子世帯で398万円です。前回調査(平成23年度)では母子世帯で181万円、父子世帯で360万円でした。少しアップしているんですね。

記述Aには「母子世帯の母自身の平均年間就労収入は、200 万円以下である。」とありますので、正解「〇」です。

「平成 28 年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」の概要

調査の概要を確認しておきましょう。

平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果概要 厚労省資料より引用

「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」について詳しくはこちらをご覧ください。

問3-Bの解き方

Bは、「平成 28 年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」(厚生労働省)の母子世帯の平均年間収入

に関する問いです。

母子世帯の平均年間収入( 348 万円)は、国民生活基礎調査による児童のいる世帯の平均所得を
100として比較すると、49.2%となります。

Bには「母子世帯の平均年間収入は、児童のいる世帯の平均所得を 100 として比較すると、50 を割っている。」とあります。

よって、正解「〇」です。

母子家庭の世帯年収等の状況

母子世帯と児童のいる世帯の比較を確認しておきましょう。

平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果概要 厚労省資料より引用

「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」の「母または父自身の年間収入」をみると(上の表参照)、父子家庭の平均年収が420万円のところ、母子家庭では平均年収が243万円です。約180万円の開きがあることが分かります。

父子家庭より母子家庭の方が貧困率が高い現状は、就業状況の違いが原因の1つです。当調査によると、父子家庭の正規雇用68.2%であるのに対し、母子家庭の正規雇用は44.2%、パート・アルバイト等が43.8%と正規雇用と非正規雇用がおよそ半々の比率です。

「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」について詳しくはこちらをご覧ください。

問3-Cの解き方

Cは「生活保護母子加算」に関する問いです。

生活保護母子加算は、ひとり親世帯(母子世帯・父子世帯等)の生活保護受給世帯に対し支給されます。金額は住んでいる地域によって異なります。

しかし、Cには、「生活保護を受給している父子家庭は、母子加算を受けることができない。」とあります。

よって間違い「×」です。

生活保護母子加算 のポイント

生活保護とは、困窮の程度に応じた必要な保護によって、憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度です。

母子・父子世帯などのひとり親世帯の生活保護は、一般の生活保護と異なり、子どもがいる分だけ最低生活費に加算されます。

生活保護制度の「生活扶助」で、母子加算等が定められています。

厚労省資料より引用

問3-Dの解き方

Dは「ひとり親家庭等生活向上事業」に関する問いです。

ひとり親家庭等生活向上事業は、ひとり親家庭等が抱える問題の解決に向けた相談、講習会の開催、ひとり親家庭の交流等を行うほか、ひとり親家庭の子どもの生活習慣の習得支援や学習支援等を行う事業です。

各事業は都道府県、市町村において実施しています。

Dには「ひとり親家庭の児童に対する母子家庭生活向上事業(ひとり親家庭等生活向上事業)には、児童に対する学習に関する支援を行う事業が認められている。」とありますので、正解「〇」です。

ひとり親家庭等生活向上事業のポイント

「ひとり親家庭等生活向上事業」 は「1 ひとり親家庭等生活支援事業」と、「2 子どもの生活・学習支援事業」があります。

「1 ひとり親家庭等生活支援事業」 は以下の通りです。 「2 子どもの生活・学習支援事業」 は、ひとり親家庭の子どもに対し、放課後児童クラブ等の終了後に、基本的な生活習慣の習得支援、学習支援や食事の提供等を行います。

「1 ひとり親家庭等生活支援事業」

「ひとり親家庭等生活向上事業」について詳しくはこちらをご覧ください。

正解とまとめ

ここまで見たように、

  • A 〇
  • B 〇
  • C ×
  • D 〇

なので、正解は選択肢2です。

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