平成31年前期 保育士試験 社会福祉 問18の解説です。
問18は、「平成28年の 国民生活基礎調査概況」に関する問題で、記述の正誤を問われています。
記述A~Eをみていきましょう。
問題文は全国保育士養成協議会のホームページで無料公開されています。
こちら(全国保育士養成協議会サイト)から閲覧、ダウンロードできます。
「スタディ」では、このブログや動画を見ながら、お持ちのテキスト本に赤線を入れる、コメントを足す、付箋を貼るなどして、自分の使いやすいオリジナル本を作っていくことをおすすめします。ここでは、福祉教科書「保育士完全合格テキスト2022」を用いています。
Contents
「国民生活基礎調査の概況」とは
国民生活基礎調査とは、保健、医療、福祉、年金、所得等国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画及び運営に必要な基礎資料を得ることを目的とするものです。
1986(昭和61)年を初年として3年ごとに大規模な調査を実施し、中間の各年は簡易な調査を実施しています。2016(平成28)年は、11回目の大規模調査を実施しました。
今回は、熊本地震の影響により熊本県については調査を実施しておらず、数値は熊本県分を除いたものとなっています。
詳しくは、 平成28年国民生活基礎調査概況をご覧ください。
最新の大規模調査は、2019(平成31)年です。試験対策には最新の情報もチェックしておきましょう。
問18-Aの解き方
記述Aでは、「全世帯のうち、高齢者のいる世帯は、約2割」とあります。
高齢者とは65歳以上です。
調査結果では、 65 歳以上の者のいる世帯は 2416 万 5 千世帯(全世帯の 48.4%)となっています。
よって、Aは間違い「×」です。
ちなみに、2021年9月15日現在で、総人口に占める高齢者の割合は29.1%です。
2019年調査では、65 歳以上の者のいる世帯は 2558 万 4 千世帯(全世帯の 49.4%)。
問18-Bの解き方
記述Bでは、「母子世帯は、父子世帯より多い。」とあります。
調査結果では、 母子世帯は 71万2 千世帯(全世帯の 1.4%)となっています。それに対して、父子世帯は9万世帯(全世帯の0.2%)です。
よって、Bは正解「〇」です。
2019年調査では、 母子世帯は 64万4千世帯となっています。それに対して、父子世帯は7万6千世帯です。
問18-Cの解き方
記述Cでは、「全世帯のうち、最も多い世帯構造は、三世代世帯である。」とあります。
調査結果では、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が 1474 万 4 千世帯(全世帯の 29.5%)で最も多く、次いで「単独世帯」が 1343 万 4 千世帯(同 26.9%)、「夫婦のみの世帯」が 1185 万世帯(同 23.7%)となっています。
よって、間違い「×」です。
2019年調査では、「単独世帯」が 1490 万 7 千世帯(全世帯の 28.8%)で最も多く、次いで「夫婦と未婚の子のみの世帯」が 1471 万 8 千世帯(同 28.4%)、「夫婦のみの世帯」が 1263 万 9 千世帯(同 24.4%)。世帯構造をみると、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が 852 万 8 千世帯(児童のいる世帯の 76.0%)で最も多く、次いで「三世代世帯」が 148 万 8 千世帯(同 13.3%)。
問18-Dの解き方
記述Dでは、「全世帯のうち、児童のいる世帯は、約1割を占める。」とあります。
児童とは、18歳未満の未婚の者としています。
調査結果では、 児童のいる世帯は 1166 万 6 千世帯で全世帯の 23.4%となっています。
よって、Dは間違い「×」です。
2019年調査では、児童のいる世帯は 1122 万 1 千世帯で全世帯の 21.7%。
問18-Eの解き方
記述Eには、「高齢者世帯のうち、単独世帯では、女性より男性の方が多い。」とあります。
しかし、調査結果では、「単独世帯」をみると男は 31.9%、女は 68.1%となっています。
よって、Eは間違い「×」です。
2019年調査では、「単独世帯」をみると、男は 35.0%、女は 65.0%。
正解とまとめ
ここまでみたように、
A:×
B:〇
C:×
D:×
E:×
よって、正解は選択肢4です。
「保育士テキスト2022 (上)」P214「国民生活基礎調査」をチェックして、蛍光ペンなどでマークしておましょう。不足している情報は、付箋に書いて貼っておくことも忘れずに!