平成31年前期 保育士試験 保育の心理学 問11の解説です。
問11は、人との関わりについての記述で、A~Dのうち、この記述と関連する用語を○、そうでない用語を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選ぶ問題です。
それでは、問題を解いていきましょう。その前に、問題文をお手元にご用意ください。
問題文は全国保育士養成協議会のホームページで無料公開されています。
こちら(全国保育士養成協議会サイト)から閲覧、ダウンロードできます。
「スタディ」では、このブログや動画を見ながら、お持ちのテキスト本に赤線を入れる、コメントを足す、付箋を貼るなどして、自分の使いやすいオリジナル本を作っていくことをおすすめします。ここでは、福祉教科書「保育士完全合格テキスト2022」を用いています。
問11の解き方
英語が得意な方は、解きやすいかもしれません。
Dのソーシャルアクションは、この記述と関係ないと推測されます。よって選択肢が1と4に絞られます。
Aのインクルージョンは、含有という意味。よって、この記述と関係ないと推測します。
よって正解は4です。
用語を確認しておきましょう。
インクルージョン
インクルージョンとは「包括的に包み込む」という意味であり、全ての子どもを包括的にとらえ、差別することなく、個々に必要なケアを行うことを言います。
インクルージョン保育は、保育現場において、何らかの支援を要する子どもに対し必要な支援を適切に行うことです。
「インテグレーション」から一歩進めた考え方です。
これは、たとえば、障害児と健常児というように分けた子どもを、一緒に保育するといった統合保育というインテグレーションから、障害児も健常児もみな同じであり、その中でそれぞれの特性に応じて必要なケアをするインクルージョンという考え方、すべての子どもにすべての教育をという考え方に変えていくことです。
インクルーシブ保育とは、子どもの年齢・国籍・障害の有無などの違いをすべて受け入れる教育法のことです。「インクルーシブ(inclusive)」とは、「包括的な、すべて含んだ」という意味があります。その意味のとおり、インクルーシブ保育はどのような背景を持った子どもも同じ環境で教育を受けさせる取り組みです。
レジリエンス
レジリエンスとは、自分の気持ちを「立て直す」ことです 。
子どもは、何かストレスを感じると「泣く」という方法によって、自分の気持ちを相手に伝えようとします。
例えば「お腹がすいて泣く」、「お母さんと離れて泣く」、「できると思ったことができなくて泣く」等々です。レジリエンスは、自分の気持ちを「立て直す」ことですから、この時の大人の役割は子どもの気持ちに「寄り添う」ことであり、この気持ちを「立て直す」ように応援してあげることです。
例えば、赤ちゃんが泣いたら「あやす」という行為は、「不安だったけど、大人に抱っこされてすごく安心した」という子どもの安心体験が、気持ちを「立て直す力」を育んでいくと考えられています。
アタッチメント
アタッチメントは、もともと、発達心理学という心理学の学問領域における専門用語で、イギリスの児童精神医学者ジョン・ボウルビー(John Bowlby)が、1960年代に「アタッチメント理論(愛着理論)」として提唱したもので、その後、メアリー・エインズワース(Mary Dinsmore Salter Ainsworth)の「安全基地」や「アタッチメントスタイル」などの概念によって、さらに構造化され、その後1980年代、アタッチメント研究は、メインやハザン、シェーバーなどによって大人にまでその対象が広げられ、精神医学や心理学分野だけでなく、保育や看護といった子どもに関連する分野でも、学ばれるようになりました。
子どもは乳幼児期に母親から無条件に受け入れられ、愛される経験を通して母親(主たる養育者)とのアタッチメントを形成していきます。このアタッチメントが子どもの人格形成の基盤となります。
ソーシャル・アクション
ソーシャルアクションとは、社会福祉制度の創設や制度運営の改善を目指し、世論に働きかける活動です。 現場での支援や活動を通じて、様々な方に共通する問題や課題を発見し、可視化し、社会に問題提起を行っています。
「保育士テキスト2022 (上)」P141ヴィゴツキーをチェックして、マーカーを引いたりコメントを加えておきましょう。
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