平成31年前期 保育士試験 家庭福祉 問8の解説です。
問8は、児童福祉施設等についての問題です。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせの選択肢を選びます。
それでは、問題を解いていきましょう。その前に、問題文をお手元にご用意ください。
問題文は全国保育士養成協議会のホームページで無料公開されています。
こちら(全国保育士養成協議会サイト)から閲覧、ダウンロードできます。
「スタディ」では、このブログや動画を見ながら、お持ちのテキスト本に赤線を入れる、コメントを足す、付箋を貼るなどして、自分の使いやすいオリジナル本を作っていくことをおすすめします。ここでは、福祉教科書「保育士完全合格テキスト2022」を用いています。
児童福祉施設とは
児童福祉施設とは、社会福祉施設の一つで、児童の福祉を保障するための施設をいいます。
- 助産施設:経済的な困難を抱える妊産婦を入所させて、助産を受けさせることを目的とする施設
- 乳児院:乳児や就学前の幼児を養育する施設
- 母子生活支援施設:配偶者のいない女子とその児童を保護し、自立を支援する施設
- 保育所:保育を必要とする乳児・幼児を日々保護者のもとから通わせて保育を行うことを目的とする施設
- 幼保連携型認定こども園:満3歳以上の幼児に対する教育および保育を必要とする乳児・幼児に対する保育を一体的に行う施設
- 児童厚生施設:児童遊園、児童館など、児童の遊び、健康、情操をはぐくむ施設
- 児童養護施設:保護者のない児童(乳児を除く。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由によりとくに必要のある場合には、乳児を含む)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設。
- 児童発達支援センター:障害児を日々保護者のもとから通わせて支援を提供することを目的とする施設。福祉型と医療型がある。
- 障害児入所施設:知的障害のある児童を保護、治療するとともに、自立に必要な知識や技能などの指導を行う。福祉型と医療型(医療ケアがある)がある。
- 児童心理治療施設:軽度の情緒障害をもった児童(環境に適応できない児童)を、社会生活に適応するために必要な心理に関する治療および生活指導を主として行うことを目的とする施設
- 児童自立支援施設:不良児童や行為をなすおそれのある児童を入所または通わせて、指導、自立支援を行う施設。退所後も相談に乗る。
- 児童家庭支援センター:地域の児童、家庭、地域住民等からの相談に応じ、必要な助言、指導を行う施設。児童相談所、他の児童福祉施設など、関係する機関の連絡調整も行う総合的な役割をもつ施設。
これらの施設をグループ分けすると、以下のようになります。
社会的養護関連の施設:乳児院・児童養護施設・児童心理治療施設・児童自立支援施設
障害児のための施設:障害児入所施設・児童発達支援センター
子どもの育成のための施設:保育所・幼保連携型認定こども園・児童厚生施設
母子のための施設:助産施設・母子生活支援施設
総合:児童家庭支援センター
児童相談所とは
児童相談所とは、18歳未満の児童に関するあらゆる問題について、児童や保護者などからの相談に応じ、児童の最善の利益を図るために、児童や保護者に最も適した援助や指導を行う行政機関です。
そのために必要な調査並びに医学的、心理的、教育学的、社会学的、精神保健上の判定を行います。
また、緊急の場合や行動観察のために児童を一時保護し、児童養護施設・乳児院・児童自立支援施設・障害児施設等への入所等の措置なども行います。
つまり、児童相談所は窓口、児童福祉施設はその先の受け口となる施設です。
児童相談所の職員は地方公務員で、児童福祉施設の職員は団体職員です。
問8の解き方
記述AからDをみていきましょう。
Aは、「児童養護施設の目的には、退所した者に対する相談やその他の自立のための援助が含まれる。」とあります。これは正しいです。
Bは、「福祉型障害児入所施設は、障害児を入所させ、保護、日常生活の指導及び独立自活に必要な知識技能の付与を行うことを目的とする施設である。」とあります。正しいです。
Cは、「児童心理治療施設は、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を対象とする。」とありますが、これは児童自立支援施設の説明ですね。よって間違いです。
Dは、「母子生活支援施設は、父子も入所することができる。」とありますが、母子しか入れません。間違いです。
正解とまとめ
Aは〇
Bは〇
Cは×
Dは×
よって、正解は選択肢2です。
「保育士テキスト2022 (上)」P108をチェックして、蛍光ペンなどでマークしておましょう。不足している情報は、付箋に書いて貼っておくことも忘れずに!