平成31年前期 保育士試験 家庭福祉 問3の解説です。
問3は、「平成 29 年版 子供・若者白書」における子ども・若者支援育成施策に関する記述の中から、不適切なものを1つ選ぶ問題です。
それでは、問題を解いていきましょう。その前に、問題文をお手元にご用意ください。
問題文は全国保育士養成協議会のホームページで無料公開されています。
こちら(全国保育士養成協議会サイト)から閲覧、ダウンロードできます。
「スタディ」では、このブログや動画を見ながら、お持ちのテキスト本に赤線を入れる、コメントを足す、付箋を貼るなどして、自分の使いやすいオリジナル本を作っていくことをおすすめします。ここでは、福祉教科書「保育士完全合格テキスト2022」を用いています。
子ども若者育成支援推進法
「子ども若者育成支援推進法」とは、引きこもりやニートなど社会生活を円滑に営むうえで困難を抱える若者の社会参加を支援する施策について定めた法律。2010(平成22)年に施行しました。
内閣府に育成支援推進本部を設置し、支援をネットワーク化するなど、国・地方公共団体・児童相談所やNPOによる協力体制を整備しています。
具体的には、総理大臣を本部長とする「子ども・若者育成支援推進本部」が置かれ、ここで策定された「子ども・若者育成支援推進大綱」に沿って、各都道府県、市町村の「子ども・若者ビジョン」の立案・実施が責務として位置付けらました。
「子ども・若者育成支援推進大綱」は、2010年と2015年の2次にわたり策定され、施策を総合的に推進してきました。第1次大綱の実施期間中には東日本大震災、第2次大綱の実施期間中には新型コロナウイルス感染症の流行が発生し、多くの子供・若者は不安を高め、孤独・孤立の問題が顕在化。2021年4月には、第3次の大綱が策定されました。
子供・若者白書
「子供・若者白書」(旧青少年白書)は、子ども・若者育成支援推進法に基づく年次報告書として、2010(平成22)年から作成され、毎年、国会に報告されています。
問3の解き方
問3は不適切な記述を選ぶ問題です。ここでは、子ども若者育成支援推進に関して知識・理解がないという前提で解いていきます。
記述1では、「社会生活を円滑に営む上で困難を有する子どもや若者を支援するための地域ネットワークの整備」とあります。近年の若者の問題といえば、引きもりやいじめを思い浮かべます。それらに対処するためには、地域ネットワークは欠かせません。よって正しいと考えます。
記述2では、「「子ども・若者育成支援推進法」に基づき、「子ども・若者ビジョン」が策定」とあります。基盤となる法律に基づいて、理念や計画が策定されることはあります。いったん△にします。
記述3では、「厚生労働省は「子ども・若者計画」を作成すること」とあります。厚生労働省が主体でしょうか。疑問が残りますが、いったん△とします。
記述4では、「内閣府に設置された子ども・若者育成支援推進本部により「子ども・若者育成支援推進大綱」が作成された。」とあります。内閣府が主体でしょうか。いったん△とします。
記述5では、「すべての子ども・若者が健やかに成長し、自立・活躍できる社会が目指されている。」とあります。これは正しいですね。
ここまでで、記述3か4のどちらかが間違いであることがわかります。つまり、厚労省か内閣府のどちらが主体なのか、です。
近年の若者の問題の重要性からみて、内閣がリーダーシップをとって扱うのがふさわしいと考えられることから、間違いは記述3と導きます。
子ども若者育成支援推進法 は、平成31年前期 社会福祉問15にも出題されていますので、しっかり勉強しておきましょう。