平成31年前期 保育士試験 家庭福祉 問2の解説です。
問2は、児童福祉に関する法律について、制定年の古い順に並べた場合の正しい組み合わせを問われています。
それでは、問題を解いていきましょう。その前に、問題文をお手元にご用意ください。
問題文は全国保育士養成協議会のホームページで無料公開されています。
こちら(全国保育士養成協議会サイト)から閲覧、ダウンロードできます。
「スタディ」では、このブログや動画を見ながら、お持ちのテキスト本に赤線を入れる、コメントを足す、付箋を貼るなどして、自分の使いやすいオリジナル本を作っていくことをおすすめします。ここでは、福祉教科書「保育士完全合格テキスト2022」を用いています。
問2の解き方
問2は、日本の社会福祉の構造を理解しておくと、解きやすいです。
日本の社会福祉の中心といえば、社会福祉法ですよね。
社会福祉法は、社会福祉事業法(1951)が2000年に改正されて社会福祉法になりました。(①措置から、利用者主体サービスへ ②行政福祉から地域福祉へ)
そして、児童福祉といえば、児童福祉法(1947)です。
この2つが骨格となりますので、他の法律より先に制定されていたと考えます。
戦後孤児への対処が緊急課題であった時代背景を思い浮かべ、児童福祉法が社会福祉事業法より先に制定されたと考えます。
そして、児童福祉法を基礎に、児童扶養手当法(1961)、 母子福祉法(1964)(現「母子及び父子並びに寡婦福祉法」 )、特別児童扶養手当法(1964)、母子保健法(1965)、児童手当法(1971)ができました。これらを児童福祉六法といいます。
児童扶養手当法 は父母がいない子ども、特別児童扶養手当法は障害のある子どもへの手当を規定しています。一方、児童手当法はすべての子ども(中学生15歳まで)が対象です。先の2つの方が対応優先度が高かったと推定して、一番遅く制定されたのは、児童手当法と考えます。
よって、正解は選択肢1です。
児童福祉に関する法律
- 児童福祉法:すべての子どもが対象。児童福祉の基盤。
- 児童扶養手当法:父または母と暮らしていない児童が育てられる家庭の生活の安定と自立の促進
- 母子及び父子並びに寡婦福祉法:母子家庭、父子家庭、寡婦の生活の安定のための措置
- 特別児童扶養手当法:精神または身体に障害のある児童(20歳未満)に対する支給
- 母子保健法:母親、乳幼児の健康の保持と増進のために、保健指導、健康診査、医療などの措置
- 児童手当法:児童を養育している者に児童手当を支給。中学校修了までが対象。
ちなみに、児童福祉法は、生活保護法、身体障害者福祉法と合わせて福祉三法と呼ばれます。
これらは、現在の憲法の考え方や、戦後の混乱に対処するために、「生活保護法(旧)(1946)生活保護法(新)(1950)」・「児童福祉法(1947)」・「身体障害者福祉法(1949)」の福祉三法ができました。
なお、「精神薄弱者福祉」(1960)現「知的障害者福祉法」・「老人福祉法(1963)」・「母子福祉法」(1964)現「母子及び父子並びに寡婦福祉法」とあわせて、福祉六法となりました。
児童福祉六法について、こちらのブログによくまとまっています。
「保育士テキスト2022 (上)」P11,84,98~101の児童福祉に関する法律をチェックして、マーカーを引いたり、コメントを書き足しましょう。