平成31年前期 保育士試験 家庭福祉 問10の解説です。
問10は、子どもの健全育成に関する記述の下線部(a)~(d)のうち、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選ぶものです。
それでは、問題を解いていきましょう。その前に、問題文をお手元にご用意ください。
問題文は全国保育士養成協議会のホームページで無料公開されています。
こちら(全国保育士養成協議会サイト)から閲覧、ダウンロードできます。
「スタディ」では、このブログや動画を見ながら、お持ちのテキスト本に赤線を入れる、コメントを足す、付箋を貼るなどして、自分の使いやすいオリジナル本を作っていくことをおすすめします。ここでは、福祉教科書「保育士完全合格テキスト2022」を用いています。
問10の解き方
問10は、 「 放課後児童健全育成事業 (放課後児童クラブ=学童)」がわかっていれば、解けますね。
記述前半部分の「児童館ガイドライン(平成 23 年3月 31 日)によると、児童館には日常の生活の支援や(a)問題の発生予防・早期発見と対応、(b)地域組織活動の育成などもその機能・役割として位置づけられている。」は、児童館ガイドラインのことを知らなくても、正しいと推測できます。
それによって、選択肢が1、2、3に絞られます。
しかし、記述後半部分の「放課後児童健全育成事業は、(c)放課後子ども総合プランにより、(d)放課後子供教室との一体型の実施が求められてきた。」について、 選択肢1、2、3 は、「放課後児童健全育成事業」について知らないと、答えを選びにくいです。
放課後児童健全育成事業は、放課後児童クラブ=学童クラブのことです。
以下の解説をみていただくとわかるように、 放課後児童対策の指針 である 「放課後子ども総合プラン」 により、「放課後児童クラブ」と「放課後子供教室」のこれまで別々だった2つの事業を一体的に運営するように推進されています。
つまり、(c) も (d) も正しいので、正解は選択肢1です。
放課後児童クラブ、児童館、放課後子供教室の違いを確認しましょう。
児童館
児童館とは、児童福祉法に基づく、児童福祉施設(屋内型の児童厚生施設)です。
子どもの権利条約や児童福祉法の理念にのっとり、子どもたちの健やかな成長、発達、そして自立が図られることを地域社会のなかで具現化する目的の施設です。
他の児童福祉施設にはないこととして、0~18歳未満の全ての子どもたちが使うことができます。
放課後児童健全育成事業
放課後児童健全育成事業 とは、放課後児童クラブ(学童)のことで、
児童福祉法第6条の3第2項の規定に基づき、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、授業の終了後等に小学校の余裕教室や児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図るものです。
実施場所:学校の余裕教室、学校敷地内専用施設、児童館など
厚労省HPより引用
放課後子ども総合プラン
「放課後子ども総合プラン」 とは、
2014年から2018年まで,共働き家庭等の「小1の壁」を打破するとともに,次代を担う人材を育成する,という観点のもと,厚生労働省と文部科学省が協力して策定した指針が「放課後子ども総合プラン」です。
具体的には,「放課後児童クラブ」と「放課後子供教室」の,これまで別々だった2つの事業を一体的に実施していき,全ての児童が放課後等を安全・安心に過ごし,さらには,多様な体験・活動を行うことができるように努めるものです。
宮城県HPより引用
「新放課後子ども総合プラン」とは、厚生労働省所管の「放課後児童健全育成事業(学童クラブ)」と文部科学省所管の「放課後子供教室」を一体的あるいは連携して実施するという総合的な放課後対策事業のことです。
2019年、これまでの同プランの進捗状況や、児童福祉や教育分野における施策の動向も踏まえ、これまでの放課後児童対策の取組をさらに推進させるために策定された指針が「新・放課後子ども総合プラン」です。
放課後児童クラブの待機児童の早期解消、放課後児童クラブと放課後子供教室の一体的な実施の推進等による全ての児童の安全・安心な居場所の確保を図ること等を内容とした、向こう5年間を対象とする新たな放課後児童対策の指針です。
宮城県HPより引用
東京都の資料にも、放課後児童クラブと放課後子供教室の比較が載っていますので、参考にしてください。
「保育士テキスト2022 (上)」P124をチェックして、蛍光ペンなどでマークしておましょう。不足している情報は、付箋に書いて貼っておくことも忘れずに!