H31(前)児童家庭福祉【2019】

【過去問解説】平成31年(前期) 保育士試験〈児童家庭福祉〉問1〈2019〉子どもの権利条約

【過去問解説】平成31年(前期) 保育士試験〈児童家庭福祉〉問1〈2019〉子どもの権利条約

平成31年前期 保育士試験 家庭福祉 問1の解説です。

問1は、「児童の権利に関する条約」第 12 条に関する問題で、( A )・( B )にあてはまる語句の正しい組み合わせを問われています。

それでは、問題を解いていきましょう。その前に、問題文をお手元にご用意ください。

問題文は全国保育士養成協議会のホームページで無料公開されています。
こちら(全国保育士養成協議会サイト)から閲覧、ダウンロードできます。

「スタディ」では、このブログや動画を見ながら、お持ちのテキスト本に赤線を入れる、コメントを足す、付箋を貼るなどして、自分の使いやすいオリジナル本を作っていくことをおすすめします。ここでは、福祉教科書「保育士完全合格テキスト2022」を用いています。

児童の権利に関する条約とは

「児童の権利に関する条約」(通称、子どもの権利条約)は、1989(平成元)年に国連総会において採択され、日本は翌年にこの条約に署名。1994(平成6)年に批准(確定的な同意)を行い、1994年5月22日に効力が生じています。

「児童の権利に関する条約」 一般原則

生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること) 第6条

すべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されます。

第6条
1 締約国は、すべての児童が生命に対する固有の権利を有することを認める。
2 締約国は、児童の生存及び発達を可能な最大限の範囲において確保する。

外務省資料より引用

子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと) 第3条

子どもに関することが決められ、行われる時は、「その子どもにとって最もよいことは何か」を第一に考えます。

第3条
1 児童に関するすべての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。

外務省資料より引用

子どもの意見の尊重(意見を表明し参加できること) 第12条

子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮します。

第12条(意見を表明する権利)
この条約は、世界の多くの児童(児童については18歳未満のすべての者と定義)が、飢え,貧困等の困難な状況に置かれている状況にかんがみ、世界的な観点から児童の人権の尊重、保護の促進を目指したものです。締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。

外務省資料より引用

差別の禁止(差別のないこと) 第2条

すべての子どもは、子ども自身や親の人種や国籍、性、意見、障がい、経済状況などどんな理由でも差別されず、条約の定めるすべての権利が保障されます。

第2条
1 締約国は、その管轄の下にある児童に対し、児童又はその父母若しくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、種族的若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生又は他の地位にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する。

外務省資料より引用

「児童の権利に関する条約」 ができるまで

  • 1948年「世界人権宣言」 すべての人は平等であり、それぞれが同じ権利をもつとした宣言
  • 1959年「児童の権利宣言」 子どもは子どもとしての権利をそれぞれもつとした宣言。このときから、宣言だけでなく実際に効力のあるものができないかと考えられはじめた
  • 1978年「子どもの権利条約」の草案がポーランド政府から提出される
  • 1979年「国際児童年」となる。「児童の権利宣言」20周年。国連人権委員会の中に「子どもの権利条約」の作業部会が設置された
  • 1989年「子どもの権利条約」国連で採択
  • 1990年「子どもの権利条約」が国際条約として発効

問1の解き方

以下の解き方は、児童の権利に関する条約について知識や理解が足らない場合のものです。

( A ) に入るのは、幸福か意見のどちらかです。文脈からして、意見がふさわしいと推測できます。

(  B  ) に「成長及び発達」「 年齢及び成熟度」「状況及び成長」の中から選ばなくてはいけません。この条約を勉強してれば、「年齢および成熟度」が正しいとわかりますが、そうでない場合、 ( A ) では間違いだった選択肢1が 「状況及び成長」、2が 「年齢及び成熟度」となっていることから、 ( A ) で正解の選択肢にもある「年齢および成熟度」が正しいと導きだせます。

よって正解は、「意見」と 「 年齢及び成熟度」 の選択肢4です。

「保育士テキスト2022 (上)」P16,85,95「児童の権利に関する条約」をチェックして、コメントを書き足しましょう。

過去問解説をYouTubeで見る

保育士試験 平成31年前期 児童家庭福祉 問1 過去問解説動画



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